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1998.10up インタビュー特集(Disney FAN(講談社))
「Disney FAN 1998 10-11月号 No.56」((株)講談社)に掲載された<DISNEY FAN, ME TOO!松下進>コーナー。子供のころからずっとディズニーファンという松下進が熱き思いを語る!



ウォルトさんは僕の神様。ミッキーは彼の気持ちになって描いたんだ。

◎イラストに描いたのはエンターテインメントの原点

今回(1998年)、『おめでとう!!ミッキー&ミニー70周年記念フェスティバル』用にミッキーとミニーのイラストを描いたわけですけど、最初、2人に何をさせようかと思ったんです。昔のポスターとか、いろいろ見たりしたんだけど、「そうだ、ウォルトさんの立場になって考えてみよう」と。ウォルトさんの伝記に、小さいころ場末の小さな舞台にあがって芸を見せるのが好きだったという話があるでしょう。それって、エンターテインメントの原点じゃないですか。それでイラストも、そういうのにしようと思ったんです。


そんな大劇場でなく、小さな場末の劇場で、ミッキーがピアノを弾いて、ミニーが歌ってる。劇場の参考にするために、わざわざ東京ディズニーランドの『スルーフットスーのダイヤモンドホースシュー』まで見に行きましたもん(笑)。

イラストに『星に願いを』の譜面が描いてあるように、想定としてはミッキーの伴奏でミニーが『星に願いを』を歌ってるところですね。だから、これを描くときも『星に願いを』を聴きながら描いていたの。リンダ・ロンシュタットのCDで、1曲目にそれが入ってるのがあるから、CDをかけっぱなしにして。そうしたら以外な発見をしてね。そのCDの4曲目に『But not for me』という曲が入ってるんだけど、これがこの絵によく合うんだよ。このイラストを見るときは、ぜひその曲をかけながら聴いてみてください。絶対合う!


◎繰り返し読んでいるウォルトさんの伝記

このイラストを描くときもそうだったし、仕事がちょっと行き詰まったとき、僕が読むのはボブ・トマスが書いたウォルトさんの伝記『ウォルト・ディズニー』。あの本は僕にとってバイブルみたいなもの。いちばん何回も何回も読み返したのは、あの本だと思います。

あの本の中でいちばん勇気づけられるというか、印象深いのは、「(パークは)永遠に完成することのないもの、つねに発展させ、プラス・アルファを加えつづけていけるもの、要するに生き物なんだ」という彼の言葉。

僕はウォルトさんは非常に好奇心の強い人だったと思うんですね。長編のアニメーションを初めてつくったり、ディズニーランドをつくったりしていく中で、彼自身何度も大きな問題にぶつかってきただろうけど、どんな問題に直面しようと、つねに前向きで、好奇心が強いから、「こうしたらどうだろう」という解決策が出てくる。そうでないと進化はしていかないですよ。


アニメーションも彼がいなかったら、いくらCGが発達しても現在のようなクオリティにならなかっただろうし、ディズニーランドをつくって、その中でアニメーションのキャラクターたちが生活しているようにつくり上げていったのはウォルトさんが初めてだもん。それはもうすごいことですよね。

父親がアニメーションや特撮映画が好きで、小さいころからディズニーの映画は劇場で見てました。劇場で見てないのは、『おしゃれキャット』と『レスキュアーズ(ビアンカの大冒険)』ぐらいかな。子供のころ、テレビでやっていた『ディズニーランド』は欠かさず見てたし、僕にとってあの人は神様みたいな存在なんですよ。ホント、生きているうちに一度会いたかった。


◎東京ディスニーシーの発想にまたまた感動

僕がアーティストとして、いちばん尊敬しているのは、シンデレラ、アリス、ティンカーベル、オーロラ姫、クルエラ・デ・ビルなど女性のキャラクターを手がけたマーク・デービスさん。やっぱり絵がいちばんじょうずだと思う。とくにオーロラ姫は顔も体つきも全部好き(笑)。


僕もスペースワールドや、オリックス、ファミコンソフトなどのキャラクターを、いろいろ描いてますが、僕たちのような仕事は、何か発想しても、頭と手が連動していなければ実際に表現できない。それにはオリジナリティーだけではなく、確かなデッサン力が必要なんです。

イメージを確実に具現化する……これはたいへんなことでね。最近、事務所を新築したんです。そのときトゥーンタウンみたいな曲線の、漫画チックな建物ができたらいいなと思ったけど、そんなのふつうできっこないですからね。あれはものすごい技術に裏打ちされた、ものすごい建物なんですから。

ディズニーランドは大好きで、東京はもちろん、アナハイムもパリもフロリダも行ってます。もう、すごいですよ、それは。何を見ても勉強になる。僕だけ「すごい、すごい」と言っていてもしょうがないので、スタッフを連れて3週間、ウォルト・ディズニー・ワールドに社員旅行に行ったこともあります。3週間いても、ディズニーMGMスタジオとか面白いから何回も行っちゃうでしょう。そうすると足りなくなっちゃう、日にちが。

東京ディズニーランドにはないんだけど、アナハイムの『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー/魔眼の神殿』が大好きで、6回かな、続けて乗った(笑)。スタッフに子供みたいだとか言われたけど、大好きなの。好きが高じて、事務所に『インディ・ジョーンズ』のピンボールも置いてる(笑)。

考えてみれば、『インディ・ジョーンズ』も『スター・ウォーズ』も、それだけで一つのテーマパークにできちゃうでしょう。でも、そうしないで、ディズニーランドの一つのアトラクションになっている。それは、ウォルトさんに敬意を表しているからだと思うんです。

行って、イヤになっちゃうこともあるけどね。「なんで、そんな発想ができるんだよ」って。そのほうが多いけど、それがまたワクワクする。そういう考え方があったんだとかね。
東京ディズニーシーとか、今からすっごく楽しみだもん。最初はそれこそシーワールドみたいなものかと思ってたんですよ。ところが、『ディズニーファン』を見て、「何、これ!?」と。「世界の港町をつくるかい」って。スケッチを見て、本当に感動したよ。


◎勉強して行くと、パークはもっと楽しくなるよ


東京ディズニーランドは、ただ遊びに行っても楽しいけど、もうちょっとディズニーのいろいろなことがわかってたら、もっと面白いんだよね。『ピーターパン空の旅』だって、ピーターパンのアニメーションを見てから乗ったほうが面白いし、『カントリーベア・シアター』を見ないで帰る人がいるなんて信じられないよ。『ジャングルクルーズ』もそうだけど、オーディオ・アニマトロニクスを駆使しているところにディズニーのすごさがあるわけじゃない。


『ディズニーギャラリー』に行けば、どれだけすごいアーティストがいて、その人たちがどんなふうにイマジネーションを具現化して、まず絵を描いて、それをどうやって実際につくっていったかわかるし。


『スプラッシュ・マウンテン』にしても、『南部の唄』をちゃんと見て行ったら、本当に面白いわけですよ。そんなことを知らないで、ただ落っこちるところだけ楽しみたいなんて、そういうのイヤだな。もうちょっと勉強してからこいよとか思っちゃうもの(笑)。ちょっと年寄りっぽいかもしれないけど、そういうことがわかってると、すごく面白いし、興味深くいろいろなことが見えると思うんですよ。
だから、何度も行ってるけど、全然飽きないね。シンデレラ城の柱のレリーフを見て、すっげえなと思ったり。細かいところまで、本当にドアノブひとつにしても、どれだけ気持ちをこめて、丁寧に愛情をもってつくっていったかというのをわかってほしいですね。だから、あの場所はすごく素敵な場所なんですよ。








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